YD-RP2040の修理

コンピュータ、組み込み

YD-RP2040の電源が入らなくなりました。
原因の調査するとUSBの電源と外部電源の整流器から出てくる電圧が低下しているため修理をします。

現象

USBコネクタからの電源供給では、PowerLED(赤)が微弱な点滅をする挙動をする。
以前に書き込みを行ったスケッチも動作をしていない。
パソコンからUSBで接続をしているがCOM認識できない

補足ですが、この製品は4MByteと16MByteを所有していますが、4MByteだけ2個同じように壊れてしまった。

調査手順

確認したこと

VOUTの電圧を測定した
・1V以下の出力
 正常であれば、おおむね5V出力



VINから5Vを供給した
・スケッチは動作する。
・パソコンからもCOM認識する(スケッチの書き込みもできる)

考察
>VINからの電源供給でスケッチが動作することから、CPUは壊れていない。
>VOUTの出力が約5Vではないことから、USBから5Vを供給する経路のどこかで電圧降下が発生している。

回路図確認

USBからの供給とVINからの供給を出力する整流器があり、その出口で電圧降下が発生している。
VBusでは4.99V、Vout では 0.69V。


入力側は5Vあるので、USBコネクタからここまでは正常。
整流器のVoutの電圧と基板のVoutの電圧が同じなので整流器の故障であると特定した。

準備

材料

画像名称用途
整流器
BAT54 KL3
交換部品
はんだごて部品はがし、半田作業
はんだ半田作業
ピンセット部品はがし、部品固定
はんだ吸い取り器余剰半田の吸い取り
ブレッドボード基板の固定

整流器

購入はAli Expressを利用しました。120円強/100pcs
リール品で100個売りだったのでこんな形で納品。

作業

部品はがし

3ピン部品なので、3か所同時にはんだを溶かす必要がある。
はんだごてが2本あれば、左右から挟むよう加熱することで簡単にはがすことができる。

はんだごてが1本の場合は2ピン側に少し多めの半田を盛り付ける。
半田が固まらないうちに1ピン側を溶かすと部品をずらすことができる。

はんだを多く盛りすぎると、放熱面積が増えて固まってしまうのでほどほどに。
手早く反対側を軽く押しながら溶かすとズレてくれます。
押しすぎると滑って別の部品とくっついてしまうので、力を入れすぎないように注意。

整地

パターンに余剰にはんだが残っていた場合部品を載せにくいので、はんだ吸い取り器で吸い取る。

部品交換

パターンの上に部品をずれなく配置したら、ピンセットで軽く押さえながらはんだごてを当てる。
ここでは仮固定なので、半田が溶けたと確認出来たらすぐにはんだごてを離す。

残り2か所をきれいにはんだができたら最初の1か所目をもう一度はんだを当てなおして整形する。
この整流器は熱に弱いのか、作業がモタついた1回目と2回目は通電後1分ほどで作業前と同じ現象が発生した。
3回目の取り付けは1か所あたり2秒程度で作業を行ったら壊れずに基板が復活した。

結果

USBからの電源供給からでもスケッチが動作するようになり、COM認識もされるようになった。
VOUTからも4.9V出力があり、ほかの正常品と同等となった。

4MByte品2個とも同じ部品の交換で直りました。


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