ESP32-C3 Super Mini

コンピュータ、組み込み

ESP32-C3を搭載した小型の基板を入手しました。
小型のマイコン基板との比較(XIAO ESP32C3)、基本的な入出力、通信(UART, I2C, SPI)を使ってみます。

紹介するもの

ESP32-C3 Super Mini

特徴

安価でESP32-C3を搭載していますが技適がありません。
USBコネクタにはUSBシリアル変換チップが搭載されていないので、USBを使用したUARTは使用できません。
Ali Express にて安価で購入できたのでのですが、情報がないので基本的な機能について調べながら使ってみます。

接続Type C
CPUC3 RISC-V 160MHz
ロジックレベル3.3V
GPIO13
ADC6 (12bit 0 – 4095)
GPIO5をAnalog入力にすると、起動ループしてしまうので
使用不可としています。
PWM13 (8bit 0 – 255)
同時に設定できるのは6本まで
UART1
I2C1(任意のピンに設定可能)
SPI1(任意のピンに設定可能)
ボタンBOOT
RESET
LED青 (GPIO 8) 負論理 (LOW で点灯)
ピン配置

同名のESP32C3 Superminiを入手しました。
ピン配置が違うので基板の形状を見て判断します。

外観

Arduino環境で使用できる主な小型マイコン基板と並べてみました。
左から ESP32-C3 Super Mini, TINY2040, XIAO RP2040です。
400穴ブレッドボードは左右3列と2列使用できます。
長手方向には画像左から大きい順に並んでいます。

使ってみて

USBコネクタ側からの電源、GNDのピン配置はXIAO系と同なので国内では無線の使用できない ESP32 C3 XIAOという感じです。

無線を使用しなければ扱いやすい高性能基板として使用できます。
XIAO ESP32C3と同じESP32-C3を搭載しているため、通信線を自由に設定することができます。
XIAO シリーズとの親和性は高めで、GPIOピンを多く使用できる優位性もあります。

基板自体の価格は低めですが、送料込みではXIAO RP2040と同じくらいで国内での流通は見ないので、手ごろな価格で国内で気軽に購入できるようになることを期待したいです。

ESP32-C3 Super Miniより長手方向に大きいですが、ピン数が多いWeAct ESP32-C3の記事はこちら

最近WaveshareからESP32C3を搭載したESP32-C3-Zeroという小型の開発基板が発売されました。
こちらはWaveshareのZeroシリーズのサイズやピン配置になっています。

準備

ライブラリ

ボードライブラリ

Arduino IDEのボードマネージャからESP32用のライブラリのインストールとボードの選択をします。

ボードマネージャのURLhttps://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json
検索ESP
ボードライブラリesp32 by Espressif Systems バージョン x.x.x※
選択するボードツール > ボード > esp32 > ESP32C3 Dev Module
※ x.x.x 動作確認は2.0.3を使用しています

モジュールライブラリ

機能やモジュールを使用しない場合インストールの必要はありません。

機能/モジュールライブラリ名検索確認時のバージョン
SSD1306Adafruit SSD1306 by AdafruitSSD13062.5.1
ST7735Adafruit ST7735 and ST7789
Library by Adafruit
ST77351.9.3
関連
SSD1306
ST7735
Adafruit GFX Library by AdafruitGFX1.11.3

スケッチの書き込み

書き込みモードで起動します。
BOOTボタンを押下しながら電源を投入するか、BOOTボタンを押下しながらRESETボタンを押下します。
COM認識されるので、Arduino IDEから書き込みボタンを押下することで書き込みができます。

基本スケッチ

ボタンLED

説明

タクトボタンとLEDの組み合わせの動作をします。

タクトボタンはPULLDOWN設定します。(押下したらHIGH)
タクトボタンを読み取り、押下されるとLEDが点灯します。
ボタンが離されるとLEDは消灯します。

スケッチ
/**********************************************************************
【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 SuperMini

【スケッチの説明】
プルダウンしたピンの状態がHighならLEDを点灯、LowならLEDを消灯させます。

【ライブラリ】
esp32 > ESP32C3 Dev Module

【準備】
GPIO0(LED) -> 保護抵抗(約200Ω) -> LED -> GND
3.3V -> タクトボタン -> GPIO1(INPUT)

ワイヤによる配線で行う場合は、保護抵抗の適値を求めて使用してください。

【バージョン情報】
2023/4/23 : 新規
**********************************************************************/

#define LED 0       //LED
#define BUTTON 1    //タクトスイッチ

void setup()
{
  pinMode(LED, OUTPUT);               //ピン出力設定
  pinMode(BUTTON, INPUT_PULLDOWN);    //プルダウンで入力
}

void loop()
{
  int iStat = digitalRead(BUTTON);
  digitalWrite(LED, iStat);           //ボタンの状態をLEDに出力
}
結果

ボタンを押下するとLEDが点灯し、離すことでLEDが消灯しました。

PWM

説明

PWMを使ってLEDをゆっくり点灯、ゆっくり消灯します。

同時に設定できるのは6本までです。
7本以上設定してもコンパイルエラーにはなりませんが、7番目からは出力がありません。

スケッチ
/**********************************************************************
【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 Super Mini

【スケッチの説明】
PWM出力でのフェード点灯(ゆっくり点灯)とフェード消灯(ゆっくり消灯)を行います。

【ライブラリ】
esp32 > ESP32C3 Dev Module

【準備】
GPIO0(LED) - 保護抵抗(約200Ω) - LED - GND

抵抗値は使用するLEDにより適切な抵抗値を求めてください。

【バージョン情報】
2023/4/23 : 新規
**********************************************************************/

#define PWM 0        //PWM 出力ピン

void setup()
{
  pinMode(PWM , OUTPUT);
}

void loop()
{
  for(int i = 0; i < 256; i ++)
  {
    analogWrite(PWM, i);
    delay(2);
  }

  for(int i = 0; i < 256; i ++)
  {
    analogWrite(PWM, 255 - i);
    delay(2);
  }
}
結果

LEDがゆっくり点灯し、ゆっくり消灯しました。

ADC

説明

ADCに入力された電圧を読み取りCOMに出力します。

電圧の入力にLOLIN32 Liteを使用します。
0~255(約3.3V) まで2msごとに1ずつ上昇し、255(約3.3V)~0までを2msごとに1ずつ下降する設定を繰り返します。

配線

電圧の入力はLOLIN32 Liteから行っています。
結果の出力をUARTで行っていますがUSBシリアルが搭載されていないため、GPIOに出力したUARTの信号をFT232RLで読み取っています。

ESP32-C3 Super Mini配線LOLIN32 Lite配線FT232RL
GPIO0(ADC)GPIO26(DAC)
GNDGND
GPIO21 (UART TX)RX
GPIO20 (UART RX)TX
スケッチ
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【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 Super Mini

【スケッチの説明】
入力された電圧を読み取ります。

【ライブラリ】
 esp32 > ESP32C3 Dev Module

【準備】
ESP32-C3 SuperMini <-> LOLIN32 Lite
GPIO0(ADC)         <-> GPIO26(DAC)
GND                <-> GND

【バージョン情報】
2023/4/23 : 新規
**********************************************************************/

#define ADC 0

void setup()
{
  Serial.begin(115200);

  pinMode(ADC, INPUT);
}

void loop()
{
  int iADC = 0;

  //外部から入力された電圧を読み取り、結果をCOMに出力します。
  iADC = analogRead(ADC);
  Serial.printf("(ADC) = %d\r\n", iADC);
  delay(2);
}
結果

入力した電圧を読み取った結果をグラフにしました。
電圧の変化は0V -> 3.3Vまでを約500msで上昇し、3.3V -> 0Vまで約500msで下降します。

入力された電圧対して直線的ですが、1割ほど高めにオフセットされているように見えます。

電圧と読み取り値の同期はできていませんが、参考程度に入力電圧を添付します。

UART

説明

UART0から読み取ったデータをUART1に送信します。
UART1から読み取ったデータをUART0に送信します。

配線

ESP32-C3 Super Mini のUSBにはシリアルチップが搭載されていないので、UART0の送受信はGPIOピンから行います。
UART1はピンを定義して通信します。

ESP32-C3 Super Mini配線FT232RL-0配線FT232RL-1
GPIO21(UART0 TX)RX
GPIO20(UART0 RX)TX
GPIO0(UART1 TX)RX
GPIO1(UART1 RX)TX
スケッチ
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【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 Super Mini

【スケッチの説明】
 UART0から読み取った情報を UART1へ出力します。
 UART1から読み取った情報を UART0へ出力します。

【ライブラリ】
esp32 > ESP32C3 Dev Module

【準備】
WeAct ESP32-C3-C3FH4 のUSBにはシリアルチップが搭載されていないので、UART0の送受信はGPIOピンから行います。

 ESP32-C3-C3FH4 <-> FT232RL(UART0側)
 GPIO21(TX) <-> RX
 GPIO20(RX) <-> TX

 ESP32-C3-C3FH4 <-> FT232RL(UART1側)
 GPIO0(TX) <-> RX
 GPIO1(RX) <-> TX

【バージョン情報】
2023/4/23 : 新規
**********************************************************************/

#define PIN_TX 0
#define PIN_RX 1

void setup()
{
  Serial.begin(115200);                                   //基板中央のスルーホールTX, RXに入出力されます
  Serial1.begin(115200, SERIAL_8N1, PIN_RX, PIN_TX);      //Serial1 オブジェクトは ピン指定で使用します
}

void loop()
{
  if(Serial1.available() != 0)          //UART1にデータがあれば、読み取った内容をUART0に送信
  {
      Serial.write(Serial1.read());
  }

  if(Serial.available() != 0)           //UART0にデータがあれば、読み取った内容をUART1に送信
  {
      Serial1.write(Serial.read());
  }
}
結果

結果はTeratermを2つ起動します。
一つはUART0(FT232RL)で、もう一つはのUART1(FT232RL)です。

UART0用のTeratermの入力した文字は、UART1用のTeratermに表示されます。
UART1用のTeratermの入力した文字は、UART0用のTeratermに表示されます。

I2C(SSD1306)

説明

I2Cを使ってSSD1306(OLED 0.96inch)モニタのサンプルを動作させます。

そのほかの図形描画サンプルは、Arduinoサンプルを参照してください。
ファイル(F) > スケッチ例 > Adafruit SSD1306 > ssd1306_128x64_i2c

配線
ESP32-C3 Super Mini配線SSD1306(0.96inch)
3.3VVCC
GNDGND
GPIO8(SDA)SDA
GPIO9(SCL)SCL
スケッチ
/**********************************************************************
【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 Super Mini

【スケッチの説明】
SSD1306 OLEDの制御をします。

【ライブラリ】
esp32 > ESP32C3 Dev Module
Adafruit SSD1306 by Adafruit
Adafruit GFX Library by Adafruit

【準備】
マイコン基板 <-> SSD1306
3V3          <-> VCC
GND          <-> GND
GPIO8(SDA)   <-> SDA
GPIO9(SCL)   <-> SCL
Wire.setPins()により任意の位置にI2CのSDA, SCLを設定できます。

【補足】
Arduino IDEでシリアル認識されない場合は、BOOTボタンを押しながらリセットボタンを押しながら電源を投入するか、
BOOTボタンを押した状態で電源を投入し、ダウンロードモードで起動します。

【バージョン情報】
2023/4/23 : 新規
*********************************************************************/

#include <Wire.h>
#include <Adafruit_GFX.h>
#include <Adafruit_SSD1306.h>


#define PIN_SDA 8
#define PIN_SCL 9

#define SCREEN_WIDTH 128                //解像度 128 x 64 で使用します。
#define SCREEN_HEIGHT 64                //SCREEN_HEIGHTは 32 に設定することができます。

#define OLED_RESET     -1               //使用しないので -1を設定する。
#define SCREEN_ADDRESS 0x3C             //I2Cアドレスは 0x3C

Adafruit_SSD1306 display(SCREEN_WIDTH, SCREEN_HEIGHT, &Wire, OLED_RESET);     //I2C0の場合
//Adafruit_SSD1306 display(SCREEN_WIDTH, SCREEN_HEIGHT, &Wire1, OLED_RESET);     //I2C1の場合

                                        
void setup()
{
 // Wire.setPins(PIN_SDA, PIN_SCL);       //I2Cピンを設定します。

  if(!display.begin(SSD1306_SWITCHCAPVCC, SCREEN_ADDRESS)) {
    for(;;);
  }

  display.clearDisplay();               //何か表示されている場合に備えて表示クリア

  display.setTextSize(2);               //フォントサイズは2(番目に小さい)
  display.setTextColor(SSD1306_WHITE);  //色指定はできないが必要
  display.setCursor(20, 0);            //テキストの表示開始位置
  display.print(F("TAMANEGI"));         //表示文字列
  display.setCursor(15, 25);
  display.print(F("OLED 0.96"));
  display.setCursor(25, 45);
  display.print(F("SSD1306"));

  display.display();                    //バッファ転送(表示)
}

void loop()
{
}
結果

SSD1306のサンプルスケッチが動作しました。

SPI(ST7735)

説明

SPIを使ってST7735(LCD 1.8inch)モニタのサンプルを動作させます。

そのほかの図形描画サンプルは、Arduinoサンプルを参照してください。
ファイル(F) > スケッチ例 > Adafruit ST7735 and ST7789 Library > graphicstest

配線
ESP32-C3 Super Mini配線ST7735(1.8inch)
3.3VVCC
3.3VLED
GNDGND
GPIO7(SPI CS)CS
GPIO8RESET
GPIO10AO(DC)
GPIO6(SPI MOSI)SDA
GPIO4(SPI SCK)SCK
スケッチ
/**********************************************************************
【ライセンスについて】
Copyright(c) 2022 by tamanegi
Released under the MIT license
'http://tamanegi.digick.jp/about-licence/

【マイコン基板】
ESP32-C3 Super Mini

【スケッチの説明】
ST7735 LCDの表示制御します。
H/W SPIを使用するための方法についてサンプル記載します。
デフォルトのSPIを使用しますが、変更する場合はbegin()関数によりピン設定します。

【ライブラリ】
esp32 > ESP32C3 Dev Module
Adafruit ST7735 and ST7789 Library
Adafruit GFX Library


【準備】
マイコン基板 <-> ST7735
3V3           <-> VCC
GND           <-> GND
GPIO7(CS)     <-> CS
GPIO8         <-> Reset
GPIO10        <-> AO
GPIO6(MOSI)   <-> SDA
GPIO4(SCK)    <-> SCK

【バージョン情報】
2022/12/16 : 新規
**********************************************************************/

#include <Adafruit_GFX.h> 
#include <Adafruit_ST7735.h>
#include <SPI.h>

#define TFT_CS          7  // CS
#define TFT_RST         8  // Reset 
#define TFT_DC          10 // DC
#define TFT_MOSI        6  // MOSI
#define TFT_SCK         4  // SCK

Adafruit_ST7735 tft = Adafruit_ST7735(TFT_CS, TFT_DC, TFT_RST);

//S/W SPIはこちら。遅いが任意のピンを使用できる。
//Adafruit_ST7735 tft = Adafruit_ST7735(TFT_CS, TFT_DC, TFT_MOSI, TFT_SCK, TFT_RST);

void setup(void) 
{
//  コメントを解除することで任意のピンをSPIで使用することができます。  
//  SPI.begin(TFT_SCK, -1, TFT_MOSI, TFT_CS);   //H/W SPIを使用する場合こちらでピン番号を指定する。
                                              //S/W SPIで使用する場合はコメントアウトする。
  

  tft.initR(INITR_BLACKTAB);                  //Init ST7735S初期化
  
  tft.fillScreen(ST77XX_BLACK);               //背景の塗りつぶし

   //テキスト表示
  tft.setRotation(3);                         //画面回転
  tft.setTextSize(3);                         //サイズ

  tft.setCursor(0, 10);                       //カーソル位置                      
  tft.setTextColor(ST77XX_GREEN);             //緑
  tft.printf("TAMANEGI\n");

  tft.setCursor(0, 50);                       //カーソル位置                      
  tft.setTextSize(2);                         //サイズ
  tft.setTextColor(ST77XX_RED);               //赤
  tft.printf("1.8inch LCD\n");
  tft.setTextColor(ST77XX_YELLOW);            //黄
  tft.printf("Res=128 x 160\n");
  tft.setTextColor(ST77XX_BLUE);              //青
  tft.printf("ST7735\n");
}

void loop()
{
}
結果

ST7735のサンプルスケッチが動作しました。

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